五智国分寺には、流罪となった聖人が住んだ竹之内草庵跡がある。まちの人は、五智如来を安置する国分寺のあたりを「五智さん」と親しみを込めて呼ぶ。現在の位置にある国分寺は、永禄5年(1562)に上杉謙信が再興したものといわれ、それ以前の国分寺については謎のままである。
本堂は昭和63年(1988)に焼失し、10年の歳月をかけて総檜造り、鎌倉時代の様式によって再建したもので、工法も「ちょうな」や「やりがんな」などの古代からの道具が使われた。
本堂の右手に聖人の配所「竹之内草庵跡」がある。居多ヶ浜に約1年間住まわれ、後に、そこから南方の「竹ヶ前(たけがはな)草庵」に移られた。聖人が自ら姿を写して刻んだという聖人像である「御自刻御真影」(市文化財)が安置されている。
境内にある美しい姿の三重塔は、上越地方に残る唯一の塔で、新潟県に三つある塔の一つで県の文化財である。