教区では御遠忌に向け、様々な場面でこのテーマをアピールしていきます。当サイトの御遠忌ブログでも随時ご報告させていただきます。
御遠忌テーマについては、御遠忌常任委員会を中心に協議が重ねられ、加えて学識経験者の意見を広く聴取するとともに、既に宗派から発信されている「宗祖としての親鸞聖人に遇う」を基本理念とし、宗派御遠忌テーマ「今、いのちがあなたを生きている」の受け止めをより的確にしていくため、これを尊重しつつも、当初から疑問視されてきた「いのち」の語に対する有限的捉え方を払拭すべきであることが確認されました。
その上で「私は、如来のいのちを生きようとしていると言えるのであろうか」という自己批判を通して、あらためて『いのち輝け!』という呼びかけを聞き、如来の智恵の光に照らされて「私の生きる立脚地」を明らかにしていこうとするものであります。これにより、わたくし一人が生きる主体を明らかにするキーワードとなることを願い、『いのち輝け!』の呼びかけを前面に押し出してのテーマ発信とする趣旨が確認されています。
大阪教務所長・五辻信行 (『2009年度大阪教区通信』より転載)
教区の御遠忌基本理念は、宗派の御遠忌テーマ委員会が2005年春に発信した「宗祖としての親鸞聖人に遇う」という基本理念をはずすことはできないことが確認され、その内容が三点に要約されました。
以上三点を踏まえ、教区御遠忌基本理念は、「宗祖としての親鸞聖人に遇う」と決定しました。
教区御遠忌テーマは、基本理念である「宗祖としての親鸞聖人に遇う」を教区内外の、既に念仏を申している方々、また、これから念仏を申される方々に改めて発信するために、宗派御遠忌テーマ「今、いのちがあなたを生きている」に「いのち輝け!」を合わせた表現で教区御遠忌テーマとしました。
テーマの「いのち輝け!」は、今(現代)、いのちの尊さが失われ、絶望の底からのこころの叫びが止まない状況を踏まえ、基本理念「宗祖としての親鸞聖人に遇う」から提起されている人類の根元的課題から表現いたしました。
「凡夫、悪人、いのち、悲しみ、つながり、闇、今、五濁」などのキーワードから選び取られるメッセージとして、「阿弥陀如来は五濁の世にいのち輝け!ともなるいのちに生きよと、我々に呼びかけている」と集約することができるのではないでしょうか。それを教区テーマとして表現する言葉として、わかりやすく伝わりやすい「いのち輝け!」が導き出されました。
また、この「いのち輝け!」という呼びかけは、教区基本テーマ・宗派御遠忌テーマ「今、いのちがあなたを生きている」との呼応を考えて決めました。教区表現の「いのち輝け!」が「今、いのちがあなたを生きている」と連携して、私へのメッセージとなり、世間へのメッセージとなって届いてほしいという願いが込められています。阿弥陀如来からの呼びかけは、宗祖親鸞聖人が担われた課題ではないでしょうか。
このたびのテーマが、教区御遠忌を機に教区教化事業の基調となることは言うまでもなく、宗祖親鸞聖人750回御遠忌を契機に、「真宗門徒一人もなし」という自己批判をとおして提起された信仰運動が、宗祖親鸞聖人750回御遠忌を機に、さらなる真宗同朋会運動として推進されることを念じます。基本理念「宗祖としての親鸞聖人に遇う」と共に教区御遠忌テーマが教区内外に発信されますことが願われます。
宗派御遠忌テーマとともに、教区御遠忌テーマ・基本理念がひとつの問題提起となり、今後、討論会やパネルディスカッション等の企画を実施しながら、お互いに話し合い、一人ひとりが確認の場に参加し、「いのち」について深めていけるのではないでしょうか。
「いのち」そのものが本当に混乱している今、「いのち」というイメージをそれぞれが勝手に作り上げている時代であるように思われます。
「いのち輝け! 今、いのちがあなたを生きている」という教区御遠忌テーマは、これからの私へのメッセージとして、真宗における生命観などがどのように捉えられていくのかという大きな課題も含め、これからの教区教化活動の課題となり得ると確信しております。
あわせて、それぞれの教化事業の場でこのテーマを表現していただくことによって、様々な広がりが一層期待できるものと存じます。
大阪教区宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌基本計画(『2009年度大阪教区通信』所収)より転載
大阪教区御遠忌委員会(小松崇委員長)では、2013年に厳修される大阪教区の宗祖親鸞聖人750回御遠忌の円成を願って、大谷暢顯ご門首に「いのち輝け!」の言葉を揮毫いただき、直接拝受いたしました。